戦争の影で踊るシンクタンク:新保守主義とISWの闇
こんにちは、皆さん。今日は、ニュースでよく見かける「戦争研究研究所(ISW)」について、少し深掘りしてみたいと思います。ウクライナ情勢の分析や地図で、ガーディアンやCNN、ニューヨーク・タイムズなどの大手メディアがこぞって引用するこの組織。信頼できる情報源のように思えますよね? でも、ちょっと待ってください。ISWの裏側を覗くと、そこにはアメリカの軍産複合体と深く結びついた新保守主義の影がちらついています。この記事は、南アフリカのジャーナリスト、トリステン・テイラー氏の2022年の論評を基に、わかりやすくまとめました。テイラー氏はフリーのジャーナリストで、ステレンボッシュ大学の研究員。イラク戦争の「大量破壊兵器」の嘘から、現代の地政学報道まで、ISWの役割を鋭く指摘しています。さあ、一緒にその実態を探ってみましょう。
ISWってどんな組織? 表向きの顔
まず、ISWの基本をおさらいしましょう。ワシントンDCに本拠を置く非営利団体で、正式名称は「Institute for the Study of War(戦争研究研究所)」。ウェブサイトによると、「米国の戦略目標を達成するための軍事作戦能力を向上させる」のが使命だそうです。ウクライナ侵攻以降、特にロシアの動きを分析したレポートやインタラクティブな戦場地図が大人気。AP通信やロイターも、これを「キーソース」として頼りにしています。
トップはキンバリー・ケーガン氏。彼女は社長兼創設者で、夫のフレデリック・ケーガン氏と一緒に、ISWの軍事分析をリードしています。フレデリック氏はアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)の研究員で、新保守主義の論客。夫婦揃って、ウクライナ関連のレポートの主筆を務めているんです。ISWの分析は、米軍の視点に寄り添ったものが多く、「ロシアの脅威」を強調する内容が目立ちます。でも、これが本当に中立的なのか? ここからが本題です。
新保守主義のルーツ:理想主義の仮面の下に
ISWの核心は、「新保守主義(ネオコン)」にあります。テイラー氏は、これを「アメリカの例外的な役割を信じ、軍事力で民主主義を推進する信念」と定義。1960年代のカウンターカルチャーへの反発から生まれ、哲学者レオ・ストラウスの影響が強いんです。ストラウスは、「少数のエリートが善を定義し、政治を操るべき」と説きました。つまり、メディアや政府内で影響力を持つ人々が、「正義」の名の下に戦争を正当化する思想です。
フレデリック氏の弟、ロバート・ケーガン氏は元レーガン政権の国務省職員で、ワシントン・ポストのコラムニスト。イラク戦争の熱心な支持者で、新保守主義を「道徳主義的な軍事力行使」と称賛します。この思想が、ISWのDNAに染みついているわけです。テイラー氏は指摘します。「ISWは学者たちの集まりではなく、軍産複合体のイデオロギー部隊だ」と。
イラク戦争の黒歴史:ISWの「功績」
ここで、ISWの過去を振り返ってみましょう。2006年、キンバリーとフレデリック夫妻は、退役軍人ジャック・キーン将軍らとチームを組み、イラクの反政府勢力対策を立案。結果、「イラク・サージ(増派)」と呼ばれる米軍2万人以上の追加派遣をブッシュ大統領に進言しました。2007年、これが実行され、夫妻はイラク現地でペトレイアス将軍をサポート。キンバリー氏はISWの給与(年19万ドル超)を受け取りながら、無給で米軍を手伝っていたそうです。
この「成功」は、ISWの名を高めましたが、代償は大きかった。イラク戦争は、大量破壊兵器の存在を「嘘」で正当化したものです。ISWのメンバーたちは、このプロパガンダの推進役だったとテイラー氏は糾弾。夫妻の戦略は、宗派間暴力の鎮圧を謳いましたが、実際は民間人犠牲を増やしただけでした。ISWは「中立」を装いつつ、米軍の延命に貢献したのです。
軍産複合体の顔役たち:取締役の意外なつながり
ISWの取締役会を見ると、軍需産業の匂いがプンプンします。ジャック・キーン将軍(元陸軍副参謀長)は、AMゼネラル社の取締役。ハンビー車両でイラクから巨額の利益を得ました。2012年には、ブラックウォーター(現アカデミ)の戦略顧問に。2007年のニスール広場虐殺(イラク人17人死亡)で悪名高いこの傭兵会社、CIAから6億ドルの契約を受けていました。トランプ前大統領は2020年、虐殺犯4人を恩赦し、キーン氏に大統領自由勲章を授与。皮肉な巡り合わせです。
デイビッド・ペトレイアス将軍も取締役。イラク司令官からCIA長官を歴任し、今はKKR(プライベートエクイティ)のパートナー。KKRは防衛投資のプロで、ウクライナ危機後、ドイツのレーダーメーカー・ヘンソルト株を2億1000万ユーロで売却し、大儲けしました。ペトレイアス氏は議会で、「ソーシャルメディアを活用したプロパガンダ」を自慢げに語っていました。ガーディアン紙によると、米軍は偽アカウントで親米世論を操作していたんです。
さらに、ビル・クリストル氏。ブッシュ政権の「週刊スタンダード」編集者で、新保守主義の「ゴッドファーザー」アーヴィング・クリストルの息子。1997年、「サダム・フセインは排除せよ」と社説を執筆。イラク侵攻の火付け役の一人です。スコット・マコーネル記者は、「イラク戦争はクリストルの戦争だ」と批判。ジョセフ・リーバーマン元上院議員も在籍し、イスラエル航空宇宙産業のアドバイザー。無人機や徘徊弾の製造企業です。
ウォーレン・フィリップス氏はCACIインターナショナルの取締役。アブグレイブ刑務所の拷問スキャンダルで、1900万ドルの契約を請け負いました。殴打、電気ショック、犬を使った脅迫…。原告の一人はアルジャジーラのカメラマンで、釈放後もトラウマを抱えています。皮肉なことに、アルジャジーラ自身がISWのウクライナ報道で地図を使っているんです。
資金の流れ:誰がISWを支えている?
ISWは「個人・企業・財団の寄付で成り立つ」と謳いますが、支援者は軍需産業のオールスター。レイセオン、ノースロップ・グラマン、SAIC、DynCorp、ゼネラル・ダイナミクス…。ストックホルム国際平和研究所によると、ゼネラル・ダイナミクスは2020年、世界5位の武器企業(売上258億ドル)。これらの企業がISWの「中立性」を支えているのです。テイラー氏は言う。「ISWは学者たちの集まりじゃない。イラクの嘘を売った軍産のプロモーターだ」。
なぜ今、ISWの問題を考えるべきか?
ウクライナ危機でISWの影響力はピークに。ロシアの「脅威」を強調する分析は、NATOの軍拡を後押しします。でも、過去のイラクのように、「新たな嘘」が生まれるリスクを忘れてはいけません。新保守主義は、理想を掲げつつ、軍需企業の利益を優先。テイラー氏の言葉を借りれば、「ISWは不道徳な侵略の報道源として、信頼できない」。
私たち一般市民は、メディアの「専門家」を鵜呑みにせず、背景をチェックする習慣を。ISWのようなシンクタンクは、戦争の「解説者」ではなく、時には「扇動者」になり得るんです。テイラー氏のように、ジャーナリストの視点で疑問を投げかけることが、平和への第一歩。皆さんはどう思いますか? コメントで意見を聞かせてください。
(参考:トリステン・テイラー「Neoconservatism and the Institute for the Study of War」BusinessLive, 2022年10月27日)