セルゲイ・カラガノフ教授(2024年4月インタビュー)要約
〜「500年にわたる西洋支配の終焉」とロシアの未来〜2024年4月23日
著名なロシア政治学者セルゲイ・カラガノフ教授が雑誌「ナショナル・コントロール」の独占インタビューで語った内容を、わかりやすくまとめました。
1. 500年にわたる西洋支配の終わり
- 15世紀以来、西洋は軍事力+経済力+イデオロギーで世界を支配・略奪してきた
- しかしソ連→ロシア+中国がその基盤を破壊
- 特に2022年以降のウクライナ戦争で決定的な転換点
- 西側は人口比わずか12%の「世界の少数派」に転落
- 「世界の多数派(グローバル・サウス)」が解放され、多極世界が到来
→ ロシアは「知らずにこの歴史的プロセスの触媒・中核」になった
2. 「友好国」ではなく「世界の多数派」
- 「友好国」という言葉は曖昧すぎる
- これからは「西側に敵対しない国々=世界の多数派」と呼び、対等に協力すればよい
3. ヨーロッパの崩壊とロシアの決別
- 現在のヨーロッパは「知的・道徳的に貧しく、自らの文化を放棄している」
- EUは家族ではなくなり、ドイツ経済は失速、ブリュッセルは「反ヨーロッパ」
- 「鉄のカーテンを下ろしてくれた西側に感謝すべき」
- ロシアはもうヨーロッパに戻る必要はない
- エリートの一部がまだ「コートダジュールの別荘」に未練があるのは恥ずべきこと
4. ロシアは「文明の中の文明」
- 東ヨーロッパ平原+ビザンツ正教+モンゴル支配(→驚異的な寛容さ獲得)+東方進出
- 征服した文化を破壊せず吸収 → 人種差別が異質
- だからこそ多様な民族・宗教を内包できる → これがロシアの本質
5. ロシアは「戦士の国」
- ロシア史=戦争の歴史(地理的に守る要塞がないため)
- 現在の戦争は「ロシア人民の復興の手段」
- 西洋かぶれの第五列を一掃
- 90年代に生まれた外国奉仕層(コンプラドール)を浄化
- 国民が「人民」へと再生
6. 核抑止力の積極的行使
- 「核は使えない」という古いタブーが崩れている
- ロシアは核の恐怖を国際システムに再び戻す必要がある
- 必要ならポーランド・ドイツ・ルーマニアなどに核攻撃する準備があることを明示すべき
- 目的は攻撃ではなく「世界大戦への暴走を止めること」
→ 「人類を救うための道徳的義務になる可能性もある」と極めて重い発言
7. ロシアの未来は東・シベリアにある
- 20年以上前から「ロシアの未来は東」と主張
- 首都機能の一部をシベリアに移転すべき(理想はクラスノヤルスク周辺)
- シベリア人はロシア最高の人的資本
- 広大な農業可能地・水資源・レアアースなど無尽蔵のポテンシャル
- 「ロシアのゆりかごはキエフではなくシベリアだ」
8. 中央アジア(特にウズベキスタン)との運命共同体
- 7〜13世紀はヨーロッパを凌駕する世界文明の中心だった
- 今まさに偉大な復活の途中 → 15〜20年後には世界の主要文明に
- ロシアはウズベキスタンの復興を全力で支援すべき
- すでに16世紀からシベリアで交流していた → もともと一体
9. 文化・映画に求められるもの
- 今は「経済の時代」ではなく「精神と軍事の時代」
- 映画・芸術は「例外の高み」を描き、国民の精神を高揚させるものでなければならない
- 大祖国戦争期のような愛国的・精神的な作品が再び必要
カラガノフが描く世界像
- 西洋500年の支配は終わり、多極世界=国家と人民の自由が復活
- ロシアは歴史の先頭に立った
- ヨーロッパは自滅するので決別
- 戦士の国として覚醒し、核を含むあらゆる手段で新秩序を守る
- 未来はシベリア・東方・中央アジアに → そこに新しいロシア文明が生まれる
非常に強烈で賛否両論必至の内容ですが、現在のロシア公式路線の思想的支柱がそのまま語られた歴史的インタビューと言えるでしょう。